お・と・んの家


オイラには、マイ・ベッドが三つあるんだ。一つは事務所に、一つは工場に、そして、お気に入りは自宅の居間に・・このベッドに寝てるようで実は番犬してんだよ。一見、寛いでるように見せてるところが、オイラのプロたるところだよ。まぁ、時々は気が抜けちゃって、つい、転寝しちゃう時もあるけどね。自宅のソファーの上が一番寛げるよ。ここだけでは爆睡だよ。犬は、その昔、穴の中で生活してたから、ゲージの中が一番だって書かれた本があったけど、オイラ、あんな狭い所は嫌だなぁ〜!実はオイラにも、俗に言う「犬小屋」という物があるんだ。おとんがオイラのために、杉の木でログハウス風に作ってくれたんだ。一歳の頃かなァ?オイラが「噛み犬」と呼ばれ始めて、調教の人が「ゲージ飼いをしないから、精神的に安定しないんだ」って「ハウストレーニング」なるものをしたんだ。一回目はおやつに釣られて小屋に入ったよ。二回目は「変だゾ」って思ったけど、まァいいか・・って調子さ。さすがに三回目は許せんかったよ。おやつを投げて「ハウス!」って言ったが早いか、攻撃!さ。この時点でトレーニングは終了だよ。オイラの寝るとこくらい、自分で決めるさ。悪いね、おとん。あの小屋には「お・と・ん」って表札でも掛けておきなよ。ねェ、早く仕事終わりなよ。でないと、オイラも終われないじゃん。