派手おやじと禿げおやじ


夕方、オイラはおとんを従えて、いつもの場所で、いつものポーズで番犬をしている。ここは、高校生が駅まで行く通学路なんだ。時折、女子高生が健気に仕事をしているオイラを見て「わっ!かわいい!」とか「バイバイ!チョッパー!」とか、声を掛けてくれる。そんな時、おとんはオイラの後ろでオイラの代わりに嬉しそうに返事をするんだ。そこを、いつも自分によく似た短足のダックスを連れた派手おじさんが散歩で通るんだけど、鼻の下を伸ばしたおとんを見て、ややひがみ気味だよ。おじさん、最近くすみがちだよ。派手さに輝きがないね〜!おばちゃんがお仕事に行っちゃうからか、雨が多くて遠出ができないからか・・?わからないけど「燃え尽きた〜!」みたいなグレーのTシャツを着てたよ。ダメだよ、もっと明るい色を着なくちゃ!おかんがいじめがいがないって言ってたよ。そんなことじゃ、どっかの禿げおやじに負けちゃうよ!
☆「よく降るね〜、おとん」「おォ、散歩行きたくねェな〜!そ〜でも、お前、まだク○してね〜じゃん」